腐敗した巨大企業が梯子を外される爽快感【空飛ぶタイヤ】レビュー

腐敗した巨大企業が梯子を外される爽快感【空飛ぶタイヤ】

Advertisement

おすすめ度

丁寧に作り上げられたものの長瀬智也がカッコ良すぎた!
おすすめ度:★★★☆☆【3点】

あらすじ

ある日トラックの事故により、1人の主婦が亡くなった。事故を起こした運送会社社長、赤松徳郎が警察から聞かされたのは、走行中のトラックからタイヤが突然外れたという耳を疑う事実だった。整備不良を疑われ、世間からもバッシングを受ける中、トラックの構造自体の欠陥に気づいた赤松は、製造元であるホープ自動車に再調査を要求する。しかし、なかなか調査が進展を見せないことに苛立った赤松は、自ら調査を開始。そこで赤松は大企業によるリコール隠しの現実を知ることとなる。
引用元:映画.com

感想

池井戸潤のベストセラー小説。自分も文庫発売時に読んでました。

三菱自動車のリコール隠しを元にしたザ・池井戸作品らしい巨大組織に立ち向かう作品で、特に有耶無耶にされそうな小さい問題点から財閥系企業という超巨大組織の絶対に知られたくない恥部を世間に晒し無実を証明するカタルシス。

今作は原作を大事に端まで豪華キャストという万全の体制で丁寧に作られてます。
監督もそつが無い作品作りな本木克英。本木克英×池井戸潤×長瀬智也の時点で絶対安心案件なのは確定。

実際ホントにそつが無く話が進み、混乱することもなく最後のカタルシスまでキレイに持っていきます。うまい。

しかしなんかパンチ力がない。。事故が明るみになり取引先も消えていきお金が尽きてくる頃に悪玉ホープ自動車から1億円で手打ちを投げかけられ逡巡します。しかしそれ蹴った場合のリスクがあまり見えてこないというかそこまで危機感がうまく映像と合ってない気がします。

というのもイケメンの長瀬はキレイな家に深田恭子演じる奥さんとイジメにもしっかり耐えている可愛いお子さんがいてなんだかんだ大丈夫そう。社員も1人退職するがみんな社長を支えてます。

正直長瀬智也が絵になりすぎてて辛い状況が見えてこないのです。終盤「靴底を減らして」と啖呵を切るシーンがあるもの特に歩き回ったシーンが無かったのもどうなんでしょうか。もっと自分の決断によって悪い状況になっていく疑心暗鬼や立場上の針の筵感があったほうが良かった。

またディーン・フジオカ・高橋一生も内側からリスク高いことをしてるものの、キレイな立ち回りすぎて同じくリスクが見えてこなかった。

とはいえ長瀬智也始めイケメン3人無くしては様にならないシーンもあり、映画自体もなかったかもしれません。長瀬智也じゃなくて蛭子能収だったらどうだったんだろと一瞬でも考えた自分がバカでした。

これでもかというキャストの中、短い時間でキラリと光り役者魂を存分に見せつけた佐々木蔵之介。富山弁を操りホントに富山に何年も住んでるんじゃないかと思わせ、そして言葉の節々にホープ自動車への静かな怒り合わせているところ感服しました。役どころは物語をグッと動かす超重要人物。監督とは参勤交代で2作タッグを組んでるのも頷ける信頼ある配役でした。

あと少ない髪をふわっとさせ嫌らしさが増し見事な悪代官を演じた岸部一徳も最高でした。

丁寧さは抜群なのでなんか良い作品見たいけどあまり肩を凝りたくないという人にはぴったりな作品です。

データ

製作年:2018年
上映時間:120分
監督:本木克英
キャスト:長瀬智也/ディーン・フジオカ/高橋一生/深田恭子/岸部一徳/笹野高史/寺脇康文/小池栄子/阿部顕嵐//ムロツヨシ/中村蒼/柄本明/佐々木蔵之介

リンク

映画.com

予告

心に残ったロケ地

事故現場:劇中では横浜。
茨城県つくば みらい市富士見ヶ丘

映画を観て欲しくなった1品

[amazonjs asin=”B072C4Q3DJ” locale=”JP” title=”空飛ぶタイヤ 文庫 (上)(下)セット (講談社文庫)”]

Amazonで観れます

空飛ぶタイヤ [DVD]

おすすめ度:★★★☆☆カテゴリの最新記事