おすすめ度
やや暴走気味のウェス・アンダーソン
おすすめ度:★★★☆☆【3点】
あらすじ
近未来の日本。メガ崎市で犬インフルエンザが大流行し、犬たちはゴミ処理場の島「犬ヶ島」に隔離されることに。12歳の少年・小林アタリは愛犬スポッツを捜し出すため、たった1人で小型機を盗んで犬ヶ島へと向かう。
引用元:映画.com
感想
独特の映像センスを持つ鬼才ウェス・アンダーソン監督作品。
各作品1場面観ただけでもウェス・アンダーソン作品だとわかるシンメトリーの構図。そして今作はストップモーション・アニメーションという気が遠くなる作業がプラスされ、その1場面1場面にアート作品のような意気込みを感じる。また会話は独特の間がありそれも計算されているかと思うといやはやすごい作品だなと思う。
あと監督ならではのシンメトリーをアンシンメトリーの日本文化にどう反映させていくのかも非常に面白い点。当然それは独特の世界観になっておりウェス・アンダーソンらしさがギュギュッと詰まっていきます。
和太鼓や神社・相撲など日本らしいポップカルチャーがなんとも可愛らしく表現されているが、話のストーリーは正直なぜ日本を選んだろうという展開。市長の独裁政権で犬を全て孤島に追い詰めるのが日本と似ているのだろうか。あまり釈然としなかった。
せっかく日本が舞台なのに、ゴミと一緒に住む汚れた犬たち。頭に怪我を負っている少年。とちょっと観てて痛々しいのが残念。
日本人は日本語をしゃべるが犬は英語。さらに日本語の会話の途中に英語のナレーションが強制的に入るのでかなり混乱。それでいて日本語はかなり庶民的なことをボソボソと話すのでけっこうなカオス状態。すごい世界観です。
あと気になったというか好きだったのは、ストップモーションの人形の艶加減。その艶はモンチッチの指を連想させなぜか懐かしく安心してしまいました。
話は乗り切れませんでしたが、その鬼才が作り上げた日本を一度観ておいたほうが良いと思います。
データ
原題: Isle of Dogs
製作年: 2018年
上映時間:101分
監督:ウェス・アンダーソン
キャストト(声の出演):コーユー・ランキン/リーブ・シュレイバー/ブライアン・クランストン/エドワード・ノートン/ボブ・バラバン/ビル・マーレイ/ジェフ・ゴールドブラム/スカーレット・ヨハンソン/F・マーレイ・エイブラハム/ティルダ・スウィントン/渡辺謙/夏木マリ