
おすすめ度
原作を忠実に描いてるものの微妙な解釈なズレが残念
おすすめ度:★★★☆☆【3点】
あらすじ
超人的な戦闘能力を持つ伝説の殺し屋ファブルは、育ての親であるボスから、1年間殺し屋を休業して普通の人間として生活するよう命じられる。もし誰かを殺したらボスによって処分されてしまうという厳しい条件の中、「佐藤アキラ」という偽名と、相棒ヨウコと兄妹という設定を与えられ、大阪で暮らしはじめたファブルは、生まれて初めての日常生活に悪戦苦闘。そんな中、偶然知り合った女性ミサキがある事件に巻き込まれたことから、ファブルは再び裏社会に乗り込んでいく。
引用元:映画.com
感想
漫画原作は映画化で知り、公開後に観ようと思ってたけど待ちきれず一気読み。
山場がたくさんあるわけではないのに不思議と話しの推進力があり、続きが待ちきれなくなる漫画だった。間違いなく傑作。
当然映画にも期待がかかった。
話全体は丁寧なほど原作に忠実。まさか主人公は自宅では丸裸という設定までしっかり再現するとは!
しかし当然ながら改変もあり、最初のつかみとなる暗殺シーンはその大きな改変部分となった。
このシーンは主人公が凄腕なのをビジュアルで見せようと監督が知恵を絞り、斬新なアイデアが出してきたのだが俺はちょっと要らなかったかなと。。正直そういう暗殺道具と見て取れてしまった。あとまだ賑わっている時間帯であれだけの殺人。話を紐付けるための動画撮影されたスマホの存在。
なんか主人公のプロフェッショナル部分がズレてる気がする。
決定的にズレを感じたのはラストである清掃工場での決闘。
福士蒼汰演じるフードには対峙するも相手にもせず恐れ戦かせ主人公の凄さが際立つ場面があり自分としてはたまらないシーンなのだが、映画ではそうとはいかない。それなりの俳優さんが演じているなら見せ場もなくてならない。というわけで主人公が安っぽくなってしまうラストバトルになっておりガッカリ。

自分としては主人公の底知れぬ殺人スキルが舐めてる相手の圧倒的上を行くのがこの漫画のカタルシスだと思ってます。そこを描けないのは仕方ないと感じるものの残念でならない。序盤あれだけ大立ち回りをしたのならラストは原作通り最小限で終わらせるという勝負もできたんじゃないかと。
まあフードのオチはしっかりつけてくれてますし、映画全体主人公のスキルをどう見せようか悩んでる感じはしてましたね。
主人公を演じた岡田准一。
アクションスキルはもう日本一の俳優だと思うし、大きいこと言えばハリウッドも欲しがる存在だと思ってる。「ジョン・ウィック」でおなじみガンフーを日本で広められるのは岡田准一ただ一人でしょう。
ただ早すぎて正直何をしてるのかわからない部分が多数。一部スローモーションでわかりやすくしてる場面ありましたが多用しても良かった気がします。
原作に忠実でアクションも最高峰。なのになぜか満足行かない。
それは主人公が活躍すればするほど「ファブル(寓話)」と呼ばれる存在から離れていってしまうからなのです。
こうやってみると映画化に合わない作品でしたね。
あと「屍人荘の殺人」でもそうでしたが、予告編でノリノリの曲を映画本編では普通のエンドロールで流すのみはもったいなさすぎ。最近洋画で見かけるエンドロール前にある主要キャラのクレジット紹介も日本でどんどん取り入れて良いと思う。満足度だいぶ違うんじゃないかな。
データ
上映時間:123分
監督:江口カン
キャスト:岡田准一/木村文乃/山本美月/福士蒼汰/柳楽優弥/向井理/木村了/井之脇海/藤森慎吾/宮川大輔/佐藤二朗/光石研/安田顕/佐藤浩市
リンク
予告
心に残ったロケ地
チンピラに絡まれるシーン
神奈川県横浜市中区 タイニーズ前