日常を考える【オー・ルーシー!】

日常を考える【オー・ルーシー!】

Advertisement

おすすめ度

主人公のことを思うとなんともやるせなくなる
おすすめ度:★★★☆☆【3点】

あらすじ

近い将来やってくる「退職」と、いずれ訪れる「死」をただ待つだけの毎日を送る43歳の独身OL節子。ひょんなことから通うことになった英会話教室の授業で節子は、教室内では金髪のカツラをかぶり「ルーシー」というキャラになりきることを強いられた。アメリカ人講師ジョンによるこの風変わりな授業によって節子の眠っていた感情が解き放たれ、節子はジョンに恋をする。そんな幸せな時間も長くは続かず、ジョンは節子の姪の美花ともに日本を去ってしまう。
引用元:映画.com

感想

映画化されるまで少々紆余曲折しており、まず2014年に同監督で桃井かおり主演の短編映画化。その後2016年に今作のベースとなるドラマ版制作しNHKで放送。TV放送があった後に20分以上追加編集する形で映画化。

TV放送があったのにほぼ同じ内容をなぜ映画化?と思いますが実はこの流れ今までにもあり「その街のこども 劇場版」「LIVE!LOVE!SING! 生きて愛して歌うこと 劇場版」と傑作が生まれています。

NHK制作なので先にテレビという流れなのでしょうか。

日常に埋没する40代独身女性を寺島しのぶが熱演。あの色気もなにもない冷めた表情から若い子の乱闘まで演じきります。

そして今作もサラッと脱ぐ寺島しのぶ。正直寺島しのぶの裸が観たいわけではないし見馴れてしまっているだけど、見えてもいいという演技は濡れ場など自然な流れで違和感がない。女優は脱ぐ脱がないで話題になってしまうので可哀想なのだが、脱がずに不自然な動きなのはなんとも冷めてしまう。

ジョシュ・ハートネット演じる英語教師(豪華!)に会ったことで日常から抜け出そうとするのですが、今まで埋没し周りを遮断して生きてきただけにすごい空回りをしてしまいます。最終的に笑えない状況まで空回りは続きバースト。

そして日常に戻るも泣きっ面に蜂の展開で見てられません。
地獄の退社シーンは今までの行いが自分に返ってきた自業自得以外なにものでもないのだが、もし自分がこんな羽目になったら社員全員射殺してるかもしれません。

主人公はもちろん違う選択をするのですがそれは最悪のものでした。

日常に埋もれた独身女性が恋をするために勇気を出して大決断!
と取りたいのだが、それは日常が出るんだよ、大事なのは日常なんだよと言われいる気がします。

映画の出だしとラストは同じ場所で対になっています。死から始まる物語。終わりは同じく死なのか生なのか。ラスト電車がホームに入ってきて観る側を逡巡させなかなか味のある終わり方でした。

データ

製作年:2017年
上映時間:95分
監督:平柳敦子
キャスト:寺島しのぶ/南果歩/忽那汐里/役所広司/ジョシュ・ハートネット

リンク

映画.com

予告

Amazonプライムで観れます

おすすめ度:★★★☆☆カテゴリの最新記事