
おすすめ度
役者の演技に引き込まれるとはこのこと。
おすすめ度:★★★★★【5点】
あらすじ
家でも学校でも誰からも必要とされることなく、存在自体を無視されていた男。誰からも名前すら覚えられることのないその男に「三井くん」と名前を呼んでくれた、たった1人女性がいた。学生時代の甘美な思い出から11年の時間が過ぎ、男は女性との再会を夢見るが、男の目の前に現れた彼女は別人のように変わってしまっていた。彼女に何が起こったのか。男の純粋な思いは暴走し、彼女の自宅に潜入。ベッドの下に潜み、息を殺して彼女の監視を始める。
引用元:映画.com
感想
迫真な演技とその妙なストーリーに存分に引き込まれ、この人達はどうなっていくんだと息を呑んでしまった。
とにかく凄まじく見てられないDVシーン。迫真過ぎてホントに起きてることなんではないかと錯覚。そして怒り。フォークを手の甲に刺すシーンは戦慄してしまった。性行為シーンも名のある俳優さんとしては珍しいモザイクを掛けてまでの激しさ。バックのシーンはDV上どうしても入れたかったシーンだったの思います。
それに続いてですが、ヌードという言葉が生ぬるくなるほど全身全てをさらけ出した西川可奈子の女優魂!

一方的に受ける性行為に殴打からフォーク刺しと容赦ない場面が続きます。当然俳優たちの迫真の演技なくして成立しません。どこまでホントなんだ?という演技はホント引き込まれます。
DV男を演じた安倍賢一。ほんとこういうヤバい人を選んだのかと思いましたが「ガチ星」の主演俳優でした。あの時感じてた抜群の体躯がこっちに活かされるとは!迫真の演技恐れ入りました。そして鑑賞後インスタで西川可奈子と安倍賢一が仲良く料理してる画像見てああ良かったと泣きそうに!

やっと主人公の話ですが、高良健吾も陰気ながら強い意志を持った青年を熱演。物語上ではあまりにもイケメンすぎて存在感がないという部分が少々ぶれてしまいますが弱々しさと強い意志を感じる演技はさすがでした。
たまたま大学時代名前を読んでくれた女性への異常で歪んだ愛。とことこやる行動力はグッピー家系図であきらか。彼女宅を発見し監視開始、そして一時侵入複数回、飽き足らずおむつを履いてベッド下に隠れる。ととんでもない行動力。

鍵ゲットは彼女を監視するために営んでいる熱帯魚やに来たことから始まります。主人公は覚えられていないことに多少のショックはありつつも想定の範囲内。なんとかこじつけて全て無料で設営に彼女宅へ。そこで鍵をゲットし合鍵作成してそっと返します。
そこから飼育が難しいグッピーを忍び込んではチェックを行います。完璧なアフターケア。律儀な主人公。しかしそれだけではとどまらずベット下に忍び込み、ベット上で行われている性行為に恍惚とした表情になる主人公。異常の頂点です。
本来ここで警察沙汰になっていくであろう展開ですが彼女のDV問題が絡み。物語は予想のつかない方向へ進んでいきます。
これはヒーロー映画でした。
DV男からの圧倒的恐怖からそこから逃れないでいるヒロイン。主人公のちょっとしたミスで実はこの家に誰かいるのかではないか気づきますが、ヒロインは言い放ちます「誰かいるの?私を助けて」と。
彼女は藁にもすがる思いなのです。主人公が匿名で毎月送っていたメッセージ付きの花を最初は捨てていたものの、最終的には生きる勇気にまでなっていたところにもそれを感じます。
そして主人公はついに立ち上がり強力スタンガンを手に忍び込みます。
今回はベッドではなくカーテンの裏に忍び込み待っていたところ、DVが始まりDV男が背後を見せたその瞬間。。
できない!
主人公はあと数センチ手を伸ばしスタンガンを当てれば終結するのにヒーローになれるのに手が出ない。。愛すべき女性がすぐ近くで甚振られ悲鳴を上げてるを泣きじゃくりながら聞いてます。
非常にこれはリアルに感じました。異常な行動力があるものの弱さがあるゆえの歪み。今までの行動が腑に落ちるなんとも切ないシーンでした。
そしてこの後の主人公は1回死にます。自暴自棄になった主人公は命のように大事し数代にわたり育成したグッピーの水槽の電源を落とすのです。思わず「ああっ。。」と声を出してしまう悲しい場面。

しかし日に日にエスカレートするDV。DV男に風呂場で呼吸困難にされ憔悴しきりその水を浴びて低体温症に。また忍んでいた主人公がかろうじて助けますが、もうこの時点で自分の存在を隠す気が無くなっております。また死んでもおかしくない一線を越えたDVにヒロインも主人公も決意が変わります。
低体温症から復帰したヒロインがまたDVを受けたその背後、立ってのはスタンガンを持つ主人公。ついにやり遂げました。
そして気絶したDV男の首を閉めようとするヒロイン。
しかしそっとその手を外して、主人公がその行為を行います。。
一切正体を明かさず自首に行く主人公。その後の展開は名作「容疑者Xの献身」を思わせ幕を閉じます。
とにかく衝撃の連続ながら綺麗にまとめたのが素晴らしい。その他語り尽くせないほどの濃密な作品。それを98分にまとめてますし、あと凄まじいDVシーンがあるのに監督が女性というのが更に衝撃を受けた!
データ
製作年:2019年
上映時間:98分
監督:安里麻里
キャスト:高良健吾/西川可奈子/安部賢一/三河悠冴/三宅亮輔
リンク
予告
心に残ったロケ地
主人公が始めた熱帯魚ショップ
福島県いわき市常磐湯本町 湯本駅近くの商店街