えげつない展開ながら最後はある男の思いに号泣【リメンバー・ミー】

えげつない展開ながら最後はある男の思いに号泣【リメンバー・ミー】

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おすすめ度

恐ろしく煮詰められたストーリーに感服
おすすめ度:★★★★★【5点】

あらすじ

天才的なギターの才能を持つ少年ミゲルはミュージシャンを夢見ているが、過去の悲しい出来事が原因で、彼の一族には音楽禁止の掟が定められていた。ある日ミゲルは、憧れの伝説的ミュージシャン、デラクルスの霊廟に飾られていたギターを手にしたことをきっかけに、まるでテーマパークのように楽しく美しい「死者の国」へと迷いこんでしまう。ミゲルはそこで出会った陽気で孤独なガイコツのヘクターに協力してもらい、元の世界へ戻る方法を探るが……。
引用元:映画.com

感想

安心安全ピクサー最新作。
監督はトイ・ストーリー3のリー・アンクリッチ。ある意味何かを超越させた「トイ・ストーリー3」でその手腕は知られるところ。もちろん期待。

作品の前にピクサー最新作で必ず期待されるのがアニメーション技術の進歩。今作も一段と進歩を感じ少年の肌ツヤなんてすごかった。ムチャクチャ触りたい!

メキシコのお盆と言うべき「死者の日」がすごく魅力的で興味を引きつけられました。ガイコツメイクが可愛らしくてたまらないし、ガイコツの装飾などの使われる紫やオレンジを中心にした多彩で美し色使いが心に残ります。「007 スペクター」の冒涜で登場するガイコツだらけの仮装行列も度肝抜かれましたが、今作は地味ながら長年の伝統行事によって生み出された深い美しさを感じました。

今作の肝である、祭壇に飾られた霊だけがあの世に戻れ、誰からも忘れ去られると死者の世界からも消えてしまうという「死者のルール」を上手くアニメーションに落とし込んでます。現実の祭り事が全部意味を持ち、特に出国ゲートの審査が実にお見事!ピクサー上手いなーと思う。

中盤からある真実により大きくストーリーが動き出します。序盤の展開から考えると結構えげつないなと思いました。悪役も悪い部分を一手に背負ってしまい最終的にはあの展開でこれまたえげつない。

しかし考えるところ、それは昔からあるドタバタディズニー系アニメの真骨頂【ユーモアと残酷】という相反しながら両立できているアニメーションの世界だから成し得るのかなと。また4年を費やしたと言われる練り込まれたストーリー。さきほどえげつないと言いつつも劇中嫌気が差すわけでなく劇中にアラと思わせないというかスキがないというか上手く流せるというか、駄目な映画はアラが目立って終始気になってしまうところいろいろ計算されているんだなと感じます。

中盤大きくストーリーが動いたあと「ある男」の思いが告げられそれは最後叶えれます。さり気なく映るその歓喜で自分は号泣でした。

これは悲しいことなんですが喜びでもありこの「何言ってるんだ?」ということを映像化させ説明不要にさせることが素晴らしいのです!

あと原題は「Coco」ですが、邦題「リメンバー・ミー」に変えたのが秀逸。観たあとはポスターなどのメインビジュアルの印象が変わります!

データ

原題:Coco
製作年:2017年
上映時間:105分
監督:リー・アンクリッチ
キャスト(声の出演):アンソニー・ゴンサレス/ガエル・ガルシア・ベルナル/ベンジャミン・ブラット/アランナ・ウバック/レニー・ビクター/ジェイミー・カミル/アナ・オフェリア・ムルギア/ナタリア・コルドバ=バックリー/ソフィア・エスピノーサ/アルフォンソ・アラウ

リンク

映画.com

予告

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リメンバー・ミー (吹替版)

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