おすすめ度
挑戦意欲が作品と制作陣そのものとリンクする。
おすすめ度:★★★★☆【4点】
あらすじ
とある自主映画の撮影隊が山奥の廃墟でゾンビ映画の撮影をしていたが、そこへ本物のゾンビが襲来。ディレクターの日暮は大喜びで撮影を続けるが、撮影隊の面々は次々とゾンビ化していき……。
引用元:映画.com
感想
今年最大の話題をさらった邦画。
DVD派の自分ですがこれは観に行こうと公開規模拡大時に前日席を予約したのですが、当日酷く体調を崩し泣く泣くチケット無駄にしてしまいました。非常に情けない。。そこでバツが悪くなって結局DVD待ち。
なのでこれだけの話題作。情報を完全に遮断とはいかず残念ながらある程度のネタバレを知りつつの鑑賞となりました。当然知らずに観たらもっと高評価だったのは必然。
まあ予告でもその劇中劇はほぼ明かされているのですが、映画内では無謀とも言える作品作りに挑戦してます。観て思ったのは監督含め演者がほぼ無名。その無名の人達が1つやってやろう一旗揚げてやろうという挑戦意欲に映画と現実で実はリンクしてる点に心が震えるかどうか。それが今作のポイントかも知れません。
なので話題作先行で観てしまうとやはり低予算だけにそこまでスゴイことが待ってるわけでなく肩透かしを食らうかな。
前半30分以上のノンストップゾンビ映画にカメラ回しどうしてるんだ?スゴイなと思わせ、でもなんかおかしいぞという違和感の回収を後半展開していきます。
しかしその回収だけにとどまらず、そこにいろいろな人間模様が絡み合い監督の本音が垣間見えたり親子愛で危機を救ったりとなかなか胸の熱くなる展開が待ってます。映画作り手の苦労がにじみ出て応援したくなること必然。伏線の出し方見せ方が秀逸でかなり練られた素晴らしい脚本です。
面白い一例として。
今作のキャッチ画像となってるカメラ目線で指を指してるシーン(このブログでは一覧時の画像)。これの裏側がわかると今作のタイトルと同じこと言ってるんだけど実は意味がズレており、爆笑もありつつよくよく考えるとグッと来るものがあります。このワンシーンだけでもかなり話せてしまうのが本作の魅力を表してる。
あと前半では良い役者だなと思ってると、後半時ではなにが「よろしくで〜す」だ!とか脚本に今更あーだこーだ言うなよと非常に面倒な役者たち、そりゃ監督大変だわと。しかし最後のあの展開でぜったいやりそうにないあいつもこいつもみんな一緒に協力プレイ!お見事!
作品が如何に大変で如何に「大事」なものなのか。今作は好奇心くすぐりながら気持ちよくそれ観せてくれます。
データ
製作年:2017年
上映時間:96分
監督:上田慎一郎
キャスト:濱津隆之/真魚/しゅはまはるみ/長屋和彰/細井学/市原洋/市原洋/大澤真一郎/竹原芳子/吉田美紀
リンク
予告
心に残ったロケ地
ノンストップゾンビ映画の撮影場所
茨城県水戸市 芦山浄水場