おすすめ度
お茶のように落ち着き 一息つける作品
おすすめ度:★★★★☆【4点】
あらすじ
前代未聞の事件を起こした戸田秋谷は、10年後の夏に切腹すること、そしてその日までに藩の歴史である「家譜」を完成させることを命じらる。幽閉されたまま家譜の編纂を続け、切腹の日まであと3年となったある日、城内で刀傷沙汰を起こした藩士の檀野庄三郎が、秋谷の監視役としてやってくる。庄三郎は、秋谷が7年前の事件を家譜にどう記しているかを確認して報告し、また、逃亡するようであれば家族もろとも斬り捨てよとの密命を帯びていた。庄三郎は秋谷のそばで過ごし、その人柄や家族とも触れ合ううちに、秋谷が事件を起こしたことが信じられなくなり、7年前の事件の真相を探り始める。
引用元:映画.com
感想
直木賞受賞小説の映画化。
この作品は「柘榴坂の仇討」と同じ時期に観ており、柘榴坂の仇討ではどうしても気になった日本人離れした阿部寛。こちらも同じく日本人離れした顔立ちの岡田准一が出てるのですがなぜかこちらはものすごく作風にあってました。
背の低さもあるのでしょうが、日々鍛錬からにじみ出る体幹の良さが姿勢良く凛として表れ、役柄としっかり合い映画の世界に違和感なく溶け込んでました。何やっても絵になる岡田准一に男として惚れ惚れ!
古き良き日本を描こうと各人物の所作から和服の材質・風景など節々に制作側の強いこだわりを感じます。そしてその製作者達の思いがごちゃごちゃした現代劇では無い分シンプルに染み込んできまました。
お話も基本シンプル。切腹を命じられた男が切腹されるまでの物語。しかし死への時間から生を見つめ直すその覚悟を決めた男の目の晴れ晴れなこと。そこには大事なものを感じました。時代劇の障害として人物名が難しく話について行けない時もありましたが最後まで質の良い映画を堪能です。
役所広司・原田美枝子など当然演技は素晴らしかったですが、その中でもお偉いさんを演じた串田和美の演技が印象的。主役クラスじゃないけどこういう脇役が作品を引き締めるのはたまりません。あと当たり前ですが堀北真希は今作もお美しかった。
データ
製作年:2014年
上映時間:129分
監督:小泉堯史
キャスト:役所広司/岡田准一/堀北真希/原田美枝子/青木崇高/寺島しのぶ/三船史郎/井川比佐志/串田和美/吉田晴登