この森この家に訪ねたくなる【モリのいる場所】レビュー

この森この家に訪ねたくなる【モリのいる場所】


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おすすめ度

子供時代の秘密基地を思い出す
おすすめ度:★★★★☆【4点】

あらすじ

昭和49年の東京・池袋。守一が暮らす家の庭には草木が生い茂り、たくさんの虫や猫が住み着いていた。それら生き物たちは守一の描く絵のモデルであり、じっと庭の生命たちを眺めることが、30年以上にわたる守一の日課であった。そして妻の秀子との2人で暮らす家には毎日のように来客が訪れる。守一を撮影することに情熱を傾ける若い写真家、守一に看板を描いてもらいたい温泉旅館の主人、隣に暮らす佐伯さん夫婦、近所の人々、さらには得体の知れない男まで。老若男女が集う熊谷家の茶の間はその日も、いつものようににぎやかだった。
引用元:映画.com

感想

心に残る群像劇を撮り続けてる沖田修一作品。この時点でハズレはない。

今作は97歳まで生涯現役で1977年に亡くなった画家「熊谷守一」の伝記。ではなくあくまで扱ったお話。そしてその1日を描いた作品です。

1日と言っているものの作品を見ると1週間くらい感じてしまうほどの賑やかさ。とにかく人が来たり何かしらのイベントが発生します。

出来事が多く1日が途方もなく長く感じるのは、昔バイクで北海道行った時に利用したライダーハウスを連想させました。
先に利用している人に荷物はここらへんに置いておけば良いからと教えられ「ありがとうございます」とお礼を言うも5分後には自分が教える側になっているという忙しなさと高揚感が入り交じる感じ。それ以外にも10分前まで全くの他人だった人と麻雀を打ってたり。名前も年齢も知らない人と1時間以上も話してたり、たった1泊同じだっただけなのに出発時泣いてしまう人がいたりと貴重な経験ができました。

主人公熊谷守一を山崎努が熱演。
ぶっきらぼうながらコミカルな一面を見せるなんとも引き込まれるキャラクターです。自分の紹介番組が流れその説明に気が触ったのか驚くべき行動に出るが途中で我に返ったり、囲碁は好きなのに片手間にやってる奥さんに負け続けてるしすごいお茶目。

そして奥さんも樹木希林が大熱演。夫をたてながらしっかり見守っており、大勢が居てもしっかりさばいてる感じも良かった。表情や佇まいそして間。ほんとにすごい女優さんだったのだと噛みしめるばかり。

沖田作品らしいユーモアも健在ながら今作はエッと言いたくなる展開を挟み込みます。それは作品全体のバランスを壊すもので勝負に出たなと言う感じ。大きくは2点あり、1点は往年のギャグを放り込み、もう1点はSF展開。自分は許せたけど引っかかってしまう人はいるだろうなと思った。

逆に若者が焼き肉を食べに来る展開は、この作品からは逸脱したものながら非常にユーモラスで心温まる展開にも繋がりかなりの名シーン。

主人公の仕事は夜行うのだけど、終盤アトリエに向かうことを「学校」に行くと言いそしてちょっと嫌がってる感じは97歳ながら少年の心が見れて良かった。そしてそのアトリアには凛とした静寂の中彼が生きてきた証があり心が震えるシーンでもあった。

小さなながらも木々に囲まれ、道は入り組み谷底まである少地球のような庭。一箇所を入念に何時間も観てればそりゃ何十年かかり楽しめるのだと思う。そこになにか大事なものを教わる感じがし、そしてそれが失われていく展開にもなんか考えていかなければならないなと思ったしだいでした。

データ

製作年:2018年
上映時間:99分
監督:沖田修一
キャスト:山崎努/樹木希林/加瀬亮/吉村界人/光石研/青木崇高/吹越満/池谷のぶえ/きたろう/三上博史

リンク

映画.com

予告

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