おすすめ度
おすすめ度:★★★★☆【4点】
お約束展開ながら泣いてしまうのは歳なのか。
あらすじ
かつては人気レスラーとして活躍していた大村孝志は、ケガや世代交代の影響で現在は悪役覆面レスラー・ゴキブリマスクとしてリングで懸命に戦っていた。孝志と妻の詩織は息子の祥太に大きくなったら父親の仕事を教えてあげると約束していたが、ひょんなことからゴキブリマスクの正体が孝志であることを祥太が知ってしまう。祥太は恥ずかしさとショックからクラスメイトにはパパは人気レスラーだと嘘をついてしまうが、リングで必死にバトルを繰り広げるゴキブリマスクの姿がだんだんとかっこよく思えてきて……。
引用元:映画.com
感想
こ、これは酷い!
棚橋最初の演技を観たときの感想です。
通常スポーツ映画の主人公に本職は使いません。当然演技力があっての主人公です。しかし今作は現役プロレスラーがプロレスラー役をやることを目玉の一つにし、それの絶大な人気を誇るイケメンレスラー棚橋弘至が演じることで話題になりました。
どうなんだ棚橋!演技できるのか?
と期待をしたものの演技ドヘタでした。。見て分かります。これ何テイクも撮ったろと。。演技をする照れが全面出てきてしまって見てるこっちがこっ恥ずかしい!なんで演技の練習してこなかったんだ!!
しかしそこを名女優・名子役が家族役でサポートし、その他まわりも実力派を揃えて棚橋をバックアップ!正直大泉洋が出演してたのは驚いた。他の出演プロレスラーも全員現役人気プロレスラーでなかなかの演技ぶり!特に主人公の相棒役を演じた田口隆祐は役者と思ってたくらい演技うまかったです!(プロレスラーとして知らなくてごめんなさい!)
まあ言いたいのは一番演技が下手なのは主人公だと言うことです。前代未聞。
お話は非常に良かったです。テンポも良く、なぜそういう展開になるかの導線がしっかりしているので非常にスムーズ。子供心で嘘を言ったりすねたりとここらへんは寺田心くんの名演技ぶりが光ってましたね。
プロレスを知らなくても楽しめますし、お約束の解説おじさん(今作では子供の友達のお父さん)がいるので大丈夫。ただプロレスにはヒール(悪玉)とベビーフェイス(善玉)という役割が「必ず」存在しなくてはならないことは知っておかなくてはなりません。それはプロレスを面白くさせるため。観客を楽しませるためにヒール役でリングに上がりブーイングを浴びながら戦います。
特に主人公は若い頃ベビーフェイスだったこともあり(ヒールターン)悔しい思いを抱えていました。
このような損な役回りなにもプロレス以外にもあると思います。厳しい上司だったり、人を切らなくてはならない人事部だったり、臭い仕事をして人々の生活を支えてくれている人たちだったりと。
しかし知られたくないのが自分の子供でしょう。知られて軽蔑されたらどうしよう、そしてそれが元でいじめられたりしてたらどうしよう。。想像するだけでめまいがします。映画ではその流れが全てあり、最後心の底から応援してくれるまでを描きます。なんてスゴイんだ。
絶対良い風に終わるだろうなと分かりきっているのに、子供がパパの思いを「最大限に汲み取って」応援してる姿に泣いてしまいます。
最後の試合はどっちが勝つかわからない感じで単純にハラハラ・ドキドキプロレスを楽しめた。現役プロレスラーを使ったことがしっかい活きてるのも素晴らしい。
サクッとほっこりしたい時におすすめしたい作品です。
データ
製作年:2018年
上映時間:111分
監督:藤村享平
キャスト:棚橋弘至/木村佳乃/寺田心/仲里依紗/オカダ・カズチカ/田口隆祐/真壁刀義/バレッタ/淵上泰史/松本享恭/川添野愛/大泉洋/大谷亮平/寺脇康文
リンク
予告
心に残ったロケ地
歩道専用の赤い鉄橋が印象的。
東京都江東区富岡 富岡八幡宮横にある八幡橋