おすすめ度:★★★★☆【4点】
原作は芥川賞作品。監督は青山真治。
まだまだ仮面ライダーWのフィリップのイメージがある「菅田将暉」が熱演。ライダー時代は好きではありませんでしたがこの映画の演技力には脱帽。撮ってるときはまだ10代だったんじゃないかな。あんなハードな濡れ場も演じホント肝が据わった俳優です。
地方にある性に関してオープンな感じは正直ついて行けませんが、強烈な閉塞感と息苦しくドロッとした感じは作品全体に感じ取れます。なんか心地良い下関の方言も良かった。
光石研は優しい役を多く見てるせいか凶暴な役にホントの恐ろしさを感じます。同じく青山真治監督作で96年の作品「Helpless」ではまだ若々しくも狂気を秘めた役柄を思い出しました。あの時の光石研は尖ったナイフがまさにぴったりでカッコイイです。
冒頭、主人公が今回の物語である高校時代を振り返るナレーションで始まるのですがその声は凶悪な父親役をした光石研。つまり主人公はあれほどなりたくなかった父親と同じになってしまったという暗示。
当然冒頭の瞬間に気づく仕掛けではないですが2度目観たときなどに発見するもので、これぞ映画にしか出来ない表現だと思ってます。その手法に感嘆しいつもでも記憶に残っている次第。素晴らしい。
製作年:2013年
上映時間:102分
監督:青山真治
キャスト:菅田将暉/木下美咲/篠原友希子/光石研/田中裕子
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