おすすめ度
人を殺せない殺すなら俺を殺してくれと言った青年が数時間後はFuck you!と殺しまくる!
おすすめ度:★★★★★【5点】
あらすじ
1945年4月、ドイツへ侵攻する連合軍の米兵ウォーダディーは、自ら「フューリー」と命名したシャーマンM4中戦車に乗り、戦いを続けていた。ウォーダディーと3人の仲間に新兵のノーマンも加わり、5人となった部隊は絆を深めていくが、進軍中にドイツ軍の攻撃を受け、他部隊がほぼ全滅。なんとか生き残ったウォーダディーの部隊にも、過酷なミッションが下される。
引用元:映画.com
感想
ブラッド・ピットが顔を汚しきり大熱演。
戦争を知らない青年が急遽副操縦士に配置され、1日の間に人を殺し女を知り仲間の死を経験していく物語。戦争とは何かを1日に集約させたのがお見事。
市街戦や圧倒的差を感じる当時最強のティーガーとの対決、そして最後の十字路大決戦と戦争シーンは見どころが続きますが、その中で印象に残るのが市街地制圧後の休憩シーン。ドイツ女性がいる部屋を見つけ、ブラピ演じる軍曹が大事に所有してた卵を使って食事をしたり身体をキレイにしたりその中で青年を男にさせたりと、戦争の「死」から「生」を感じるのではなく、「生」から「生」を感じるお見事なシーンでした。
しかしその後の展開が鬼畜すぎてまあスゴイ。青年を引きずりながら憎たらしい先輩が言います「これが戦争だ」と。
多くの部分戦車の中が映し出され、部室のような男臭さと生活感が見られて新鮮でした。秘密基地と言いますかあんな空間にちょっと憧れてしまいます。終盤軍曹が「HOME」というのうなずける。
戦争映画らしく残酷描写は多く、その中でも序盤の死んだ仲間の顔の一部が戦車内に残っていたり、もう何度戦車に踏まれているだろうというプランプランな死体など、斬新な描写が良かった。
また作り込みも素晴らしく、戦車の細部や銃撃戦もさることながら、戦争ということで当然それは群像劇でもあり主人公たちの後ろでも様々な人たちが映り、そのことで今どういう状況なのかを知ることができる。非常に映画らしい伝え方です。
ラストのラスト、あるドイツ兵の行動が謎に満ちますが、普通なら「んなバカな」で終わるところこの作品はそうは思わせません。それはそこまでのストーリーや演出でそれを見せております。あれは主人公の最初なのかもしれませんし、またもっと違った戦争という狂気の中で生まれたエアポケット的な事かもしれません。作品にうねりをもたらす見事な演出でした。
データ
原題:Fury
製作年:2014年
上映時間:135分
監督:デビッド・エアー
キャスト:ブラッド・ピット/シャイア・ラブーフ/ローガン・ラーマン/マイケル・ペーニャ/ジョン・バーンサル/ジェイソン・アイザックス/スコット・イーストウッド/アナマリア・マリンカ/アリシア・フォン・リットベルク/ジム・パラック