あまりにもバカ野郎達の品評会【アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル】レビュー

あまりにもバカ野郎達の品評会【アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル】


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おすすめ度

バカだけど紛うことなき輝くトリプルアクセル
おすすめ度:★★★★☆【4点】

あらすじ

貧しい家庭で厳しく育てられたトーニャは、努力と才能でフィギュアスケーターとして全米のトップ選手への上り詰めていく。92年アルベールビル五輪に続き、94年のリレハンメル五輪にも出場するが、92年に元夫のジェフ・ギルーリーが、トーニャのライバル選手を襲撃して負傷させた「ナンシー・ケリガン襲撃事件」を引き起こしたことから、トーニャのスケーター人生の転落は始まっていた。
引用元:映画.com

感想

うっすら覚えているナンシー・ケリガン襲撃事件。

その襲撃事件が如何にバカたちの連鎖で生まれたのか。それを事件から数年後の回想インタビュー形式で観せていきます。そしてその発端は考えてみると母親から厳しい末に愛を感じず育てられたからなのかと考えさせられます。

とにかく登場人物がコーチ以外バカばかり。主人公を始めそのバカ加減は「殴ったことない」とインタビューで応えたあとにボコボコに殴る真逆なシーンが流れることでもわかる。白人貧困層が舞台でこうも教養がないと短絡的な行動出るもんだとびっくりする。

そして実際の襲撃事件はボタンの掛け違いというか、とんでもないバカでクズがいると段階を超えて悪い方向へ行くもんだと人生教訓。ダメ人間だなと思ってても腐れ縁で付き合ってると良い話になりそうなもののこういう結果になるかと。この作品の副題は「史上最大のスキャンダル」だけど「史上最大のクズ」と言ってもいいほどクズ中のクズ。ベスト・オブ・クズ。が今作で観れます。

主役トーニャ・ハーディングを演じたのは、濃いキャラクターが集まった「スーサイド・スクワッド」でもその美貌で完全に持っていたマーゴット・ロビー。どこまで演技したかわからないがスケートシーンは圧巻。そして終盤辛い状況下でもリンク上に出るため無理に笑うシーンは映画屈指の素晴らしさで観るものの胸を突き刺します。

しかし今作最大の演者は鬼母を演じた「アリソン・ジャネイ」。
アカデミー助演女優賞を始め数々の賞を受賞したのも納得のスーパーな演技。役者とはこういうものだと言わんばかりに醸し出す強烈なキャラクター性。ここまで作品の柱を作り上げる役者を久しぶり観ました。あの人の心を折る「目」と終始プカプカしててバカそうなんだけどハマってる細いタバコ。たまりません。

そしてインタビュー時に異彩中の異彩を放つ肩に乗るインコ。そしてタバコの吸いすぎで身体をやられたのか鼻に管が通ってます。キャラとして交通渋滞が起こってますがエンドロールで実際の映像が流れこれがホントだと気づきます!すごい!

作品としてはけっこうポップな作り上げで、ノリノリの音楽になめらかでスピーディなカメラワークを多用しスケートシーンもどう撮ってるんだ思わせる映像。そしてなぜかチョイチョイ第4の壁を超えてくる観客への語りかけ。なんか面白い。

今作唯一の良心を演じたコーチ役の「ジュリアンヌ・ニコルソン」。なんでしょう地味なんだけどすごい魅力的な女性。ロッキー風の訓練で第4の壁を超えてこちらに語りかけてくるシーンはキュンキュンしちゃいます。このバランスも非常に面白い作り上げです。

このスキャンダルな事件と同じくうっすら覚えてる「O・J・シンプソン事件」。実は同じ年に起きており作中にマスコミが引き上げていく理由として軽く触れられます。なんかこの年のアメリカすごいな。

とにかく世間を巻き込んだスキャンダル事件の真相はバカとクズの集まりで起きたことに驚く作品でした。

データ

原題:I, Tonya
製作年:2017年
上映時間:120分
監督:クレイグ・ギレスピー
キャスト:マーゴット・ロビー/セバスチャン・スタン/アリソン・ジャネイ/ジュリアンヌ・ニコルソン/ポール・ウォルター・ハウザー/マッケンナ・グレイス/ボビー・カナベイル/ケイトリン・カーバー/ボヤナ・ノバコビッチ/アンソニー・レイノルズ

リンク

映画.com

予告

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アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル(字幕版)

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