圧倒的世界に酔いしれる【海獣の子供】ネタバレ・レビュー

圧倒的世界に酔いしれる【海獣の子供】ネタバレ・レビュー
https://eiga.com/movie/89501/gallery/
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おすすめ度

小さいことに悩んだら今作を観てリセットしましょ!
おすすめ度:★★★★☆【4点】

あらすじ

自分の気持ちを言葉にするのが苦手な中学生の琉花は、長い夏休みの間、家にも学校にも居場所がなく、父親の働いている水族館へと足を運ぶ。そこで彼女は、ジュゴンに育てられたという不思議な少年・海と、その兄である空と出会う。やがて3人が出会ったことをきっかけに、地球上でさまざまな現象が起こりはじめる。
引用元:映画.com

感想

独特の表現力を持つ五十嵐大介作品のアニメ化。

声優、音楽、制作スタジオ、豪華スタッフが集結して圧倒的スケールの作品に仕上がってます。

物語はかなり難しいです。
生命・地球・宇宙・・理解をできる範疇超えておりますので理解しなくてよろしいかと思います。なんかスゴイ映像を観ている、なんか自分が小さく感じると思えれば観た価値があるかと。

こういう作品の利用価値としては、なんか悩み事を抱えてたりスッキリしない時、圧倒的なものを脳が受け取りリセットできると思ってます。生命の始まりを考えたら悩みごとなんて小さい小さい!と。

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特に「祭り」が始まってからの圧倒的情報量とスピード。
自分が宇宙の中の小さい小さい生命と思いきや、自分の中に無数の宇宙があるという。そしてそれを説明無しに表現することが重要で今作の肝なのです。

「大切なことは言葉にならない」

米津玄師渾身の曲「海の幽霊」のサビに歌われるこの言葉。

思春期の主人公が自分の感情をうまく言葉にできないもどかしさ悔しさを乗り越える言葉になってます。そして生命の尊さ、宇宙、海と空、そんなものは言葉ではなく通じ合えれば良いのです。

「海の幽霊」自体映画の内容を歌っておりその壮大さも相まりエンディングに流れるものとして最高のものとなってます。ホントスゴイ。

物語の進行具合は、事態を知っている数名の語り部で進んでいきます。ここらへんはエヴァンゲリオンに似てますね。これから何かが起きるがそれは会話のみで観客者に委ねられます。

まだ幼い女子高生に、自分の中に生命がある描写は少々行きすぎな感じもするが重要といえば重要なのかも。

一体画面に何匹の魚が描かれているのだろうかという途方も無い手間。それを出し惜しみすること無く矢継ぎ早に展開していきます。そもそも独特な画風の五十嵐大介のタッチを真似ている時点でスゴイこと。あっぱれです。

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江ノ島を思わせる架空の舞台も良かった。そして田中泯と富司純子の声も素晴らしく作品に落ち着きと重みを感じさせました。

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先程から書いてるように理解しなくて良い映画です。少々入りづらい作品ではありますが圧倒的映像美を感じれれれば、最後に米津玄師が待ってます。

データ

製作年:2019年
上映時間:111分
監督:渡辺歩
キャスト(声の出演): 芦田愛菜/石橋陽彩/浦上晟周/森崎ウィン/稲垣吾郎/蒼井優/渡辺徹/田中泯/富司純子/誠子/渚/大谷満理奈//門脇実優菜

リンク

映画.com

予告

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