おすすめ度
夢の世界を再現
おすすめ度:★★★★☆【4点】
あらすじ
貧富の格差が激化し、多くの人々が荒廃した街に暮らす2045年。世界中の人々がアクセスするVRの世界「OASIS(オアシス)」に入り、理想の人生を楽しむことが若者たちの唯一の希望だった。そんなある日、オアシスの開発によって巨万の富を築いた大富豪のジェームズ・ハリデーが死去し、オアシスの隠された3つの謎を解明した者に、莫大な遺産とオアシスの運営権を明け渡すというメッセージが発信される。それ以降、世界中の人々が謎解きに躍起になり、17歳の孤独な青年ウェイドもそれに参加していた。そしてある時、謎めいた美女アルテミスと出会ったウェイドは、1つ目の謎を解き明かすことに成功。一躍オアシスの有名人となるが、ハリデーの遺産を狙う巨大企業IOI社の魔の手が迫り……。
引用元:映画.com
感想
未だ衰えを知らないスティーブン・スピルバーグ監督作品
バーチャル世界を細部まで作り込みその登場キャラクターは一回では把握できない量。主に登場するのは今の大人達が影響されたであろう80年代キャラクターが多く、夢の共演がバンバン続きます。金田のバイクとデロリアンの競争。そしてそれをキングコングが大迫力でじゃましてくる。いやはやよく映像化したものです。
極めつけは終盤の大乱戦の中でのガンダム対メカゴジラ!しかもガンダムに変身するアバターはトシロウなので三船敏郎と思われ詰め込み過ぎのカオス状態。このようにアメリカ産ほどでは無いものの重要場面で日本のキャラクターが多く登場し、日本から発信されたポップカルチャーの影響力に改めて驚かされます!
今作はゲームやアニメだけではなく、ある映画作品の中にプレイヤーを入れてしまうという面白い試みも。ただ悲しいかな映画好きと言いながらこの超有名映画を断片的にしか知らずあまり楽しめなかった。いやはやお恥ずかしい。
ただ、夢のバーチャル世界だけだったら傑作なのですが、そうは言っても重要なのは現実世界だよと現実世界も描かなくてはならず。そして当然というか悲しいというか現実世界を描くと急に狭い世界になってしまいます。
貧富の差を出すため、主人公がプレハブを積み上げただけの住まいで質素な生活を送ってるのは悪くない。路上に人が溢れテントだらけなのも風刺が利いてる。しかしせっかくのバーチャル世界で知り合った5人が実はすぐ近くに住んでたってのはズッコケました。お話的に仕方なかったのかもしれませんがあまりにも世界観が小さくなりすぎ。
悪役も小物過ぎたし最後の展開も中途半端。
あと歩くスマホの先を行く歩きバーチャルはもう死人が出るレベルではありません。まあ現代を揶揄してるのかな。
揶揄と言えば、この話自体アップルなどで見られた創業時仲が良いものの揉めて仲違いになる展開を揶揄してます。そして同じ轍を踏んだ形にさせておいて洒落が効いてる展開はお見事でした。
現実世界をもうちょっと煮詰めれば大傑作ですが、エンタメ娯楽作品なのは間違いない。一度ならず二度三度とあの夢のバーチャル世界に入りたくなる作品です。
データ
原題:Ready Player One
製作年:2018年
上映時間: 140分
監督:スティーブン・スピルバーグ
キャスト:タイ・シェリダン/オリビア・クック/ベン・メンデルソーン/リナ・ウェイス/サイモン・ペッグ/マーク・ライランス/フィリップ・チャオ/森崎ウィン/T・J・ミラー/ハナ・ジョン=カーメン