
おすすめ度
言葉にできないことを表現するのが映画なのである。
おすすめ度:★★★★☆【4点】
あらすじ
28歳のOL山田テルコ。マモルに一目ぼれした5カ月前から、テルコの生活はマモル中心となってしまった。仕事中、真夜中と、どんな状況でもマモルが最優先。仕事を失いかけても、友だちから冷ややかな目で見られても、とにかくマモル一筋の毎日を送っていた。しかし、そんなテルコの熱い思いとは裏腹に、マモルはテルコにまったく恋愛感情がなく、マモルにとってテルコは単なる都合のいい女でしかなかった。テルコがマモルの部屋に泊まったことをきっかけに、2人は急接近したかに思えたが、ある日を境にマモルからの連絡が突然途絶えてしまう。
引用元:映画.com
感想
現在女版バイブレーターである岸井ゆきの。いろいろな作品に重宝されててホントよく見かけます。
その主演作です。
大変失礼ながら今までブサイクと思っておりましたが、今作では心底可愛い!と思うシーンが何度かあり、岸井ゆきのという女優を改めて見直すことに。
ただ油断してるとやっぱりブサイクで、可愛い!ブサイク!可愛い!ブサイク!と観るシーンで目まぐるしく変わり、結局それ自体が愛おしくなってきて大好きになってしまいました。

身体の関係があり合鍵も持ってるのに彼女ではない。そして男に都合よく振り回されてるのになぜか片思いは終わらない。そんな人には理解されない「愛」の形を描いてます。
自分は映像作品の醍醐味として、言葉にできない感情を表現することだと思っており、言葉にできない、頑張って言葉にしてもその瞬間やっぱ違うとまた悩んでしまう。そんな整理がつかない感情。この映画ホントうまく表現してました。
面白いのは、ここまで振り回されてる女性も珍しいが、登場人物が少ない中その男性版がいます。
なのでヒモでもイイ近くに入れることが幸せなのだという片思いの気持ちをWでぐいぐい掘り下げていきます。

しかし男性版は途中で挫折。
女性版である主人公と最後に話をするのですが、男性版は気づいたんですよと説教をたれます。しかし何を言っても受け入れない主人公。人の良さそうな男性版ですがホントに嫌になったのかあろうことか最後つばを吐いて去っていきます。
注目したいのはこのつばの吐き方。主人公に向けてつばを吐いたのか、ただ横につばを吐いたのかという絶妙な角度!
たぶん今まで人につばなんて吐いたこと無いんでしょう。そしてここまで高ぶった気持ちになったこともなかったんでしょう。全く様になっていないつばの吐き方に男性版の人柄が出ててうまい演出でした。
途中銭湯でバイトをするのですが、ここのシーン主人公と片岡礼子演じるパート以外出てきません。厳密には幼い主人公が今の主人公に話しかけてくるので絵面では3人になります。非常に変なシーンで他とは経路が全く違うシーン。
風呂場で子供時・主人公・パートと3人横並びでお湯に使ってるシーンがあります。たぶん主人公の生きる先はパートという暗示なのではないでしょうか。主人公は一回、パートが疲労感をにじませ子供乗せがある自転車を押してる場面見かけます。つまり現時点で一人の男に振り回され結婚があるかわからないが、最終的には結婚し子供ができ一般的な家庭の女性になってるよという暗示だと思います。。だと思いたい。
この片岡礼子もそうですが、筒井真理子、江口のりこと脇の固め方がエグい!
そして江口のりこのサバサバしてる女性最高でした。

男から完全に距離をおかれてしまった主人公。しかしやっぱり忘れられない。。
主人公は最終的にある稀有な職業につきます。
その職業は愛する男が何気なくいった夢の職業。たぶん多くは冗談と受け止める話ですが主人公は信じてたのでしょう。
ただその意図はなんだろうか。
お前の夢の職業になってやったぞ!という復讐心か。それともまだ彼を待っているのだろうか。。救われないが後者の方かな。。
データ
製作年:2019年
上映時間:123分
監督:今泉力哉
キャスト:岸井ゆきの/成田凌/深川麻衣/若葉竜也/穂志もえか/中島歩/片岡礼子/筒井真理子/江口のりこ
リンク
予告
心に残ったロケ地
二人が朝まで飲む居酒屋
東京都千代田区神田神保町1丁目16−4「酔の助」