おすすめ度:★★★★★【5点】
愛国者の日(パトリオット・デイ)に開催されるボストンマラソンで起きたテロ事件。映画ではマラソン前夜から緊迫した犯人逮捕まで各主要人物通して映し出していきます。
全く関連性のなかった人物たちが事件を通して巻き込まれて行く感じ、なかなか引き込まれました。マーク・ウォールバーグ扮する主人公は少々悲劇のヒロインぶって鼻につきますが全編通して登場し全てのつなぎ役として大活躍。
この映画通して最大に感じるのがボストン愛。市長や警察が不安な市民のためFBIを出し抜いてでもいち早く犯人を逮捕したい気持ちなど、誰もが持つ地域愛とはまたなにか次元の違う深みを感じました。
そして犯人逮捕時、特殊部隊が屋根に登った際に近所のガキがエアガンを持ちすでに犯人を狙ってたり、特殊部隊もそのガキに「心強い」と気持ちいいやり取りがあるなどちょいちょいユーモアを交えボストンを愛する市民を描いています。また銃撃戦時全く使えないハンマーを使ってくれと投げ込んだのは笑えました。
その中盤の銃撃戦。犯人が爆弾投げまくりで大迫力。たった二人ながら警察がどんどん集まっても太刀打ちできない。爆弾すごすぎ。
そしてテロの爆発もすごかった。殺傷能力を高めるためナットや鉄くずを入れているのがいやらしい。しかし犯人の意図通りにはならなかった。
まあこんなこと知っても仕方ないのですが、地面においたリュックが爆発してるため被害者の殆どが足の怪我になります。あんな大きい爆発でも中心点が下だと足だけなんだだなと。そういうこともあり幸い的にも死者3人で済んでおります。それでも多数者の足切断など甚大な傷跡を残したの事実。
死者3人の内1人は子供で親が病院に運ばれてしまい1人残された子供の遺体。そしてそれずっと見守る名も無き警官。夕方になりやっと遺体処理が来るまで、命を落としたボストン市民としてへの敬意を示し、姿勢を崩すことなくただただ見守ります。そのことだけなのに涙が止まりません。悲劇の中の良きエピソードでした。
FBIの中でも先鋭された交渉人が犯人の嫁に挑みますが、失敗に終わり逆にテロの怖さを感じました。話が通じない相手というのはなんとも言えない恐怖を感じるものです。
とにかく大小のエピソードを事件を通して最終的にボストン愛を表現させたピーター・バーグ監督おみごとでした。
原題:Patriots Day
製作年:2016年
上映時間:133分
監督:ピーター・バーグ
キャスト:マーク・ウォールバーグ/ケビン・ベーコン/ジョン・グッドマン/J・K・シモンズ/ミシェル・モナハン/アレックス・ウルフ/セモ・メリキッゼ/ジェイク・ピッキング
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